ボヘミアン・ラプソディのあらすじを改めて解説してみる。

感動の一言では表すことの出来ない繊細な内容に釘付け!

自身の本名、歯並びの悪さ、両親が信仰するゾロアスター教全てにコンプレックを抱きながら生きていたフレディ・マーキュリー。
フレディが気分転換に向かったライブハウスで、ブライアン・メイとロジャー・テイラーのパフォーマンスに魅了されたフレディはすぐさまブライアンとロジャーの元へ向かい、その類まれなる歌唱力で二人を圧倒して見せた。
その後彼らはジョン・ディーコンをスカウトし、フレディが命名した「QUEEN」が誕生する事となる。
彼らは独創的な楽曲作りを試み、その光景はすぐさま音楽関係者達の目に止まり、瞬く間に彼らの音楽活動は本格化していく。
そんな中、上手くいっていたはずのバンド活動や最愛の妻メアリーとの結婚生活から生まれる葛藤、さらには彼の中にあるコンプレックスに潰されそうになってしまうフレディ。
彼が選択するのはバンドか、自身か。
「バンドは家族」という言葉の中にあるその思いとは。

ラスト21分にも渡る迫力満点の完全再現ライブ映像は必見!

本作品の見どころはクイーンの名曲が数々登場し、その数なんと28曲。その楽曲たちがどういった経緯で作られたのかも描かれている。
そしてまるでライブ会場にいるのかのような演出、憑依しているかのような出演陣による再現力、ラスト21分にも渡るライブ・エイドのシーンは観る人全てに勇気を与えるように力強く、フレディの抱えてきた葛藤やコンプレックス、メンバーが寄せるフレディへの信頼、今までとこれからを象徴するように、彼らの出した「答え」がパフォーマンスとなって表現されている。
冒頭とラストを繋ぐ「ブックエンド方式」にも注目だ。
冒頭のシーンとラストのシーンは同じように見えて少し違うように描かれている。その違いを探しながら見るのも面白いかもしれない。

キャッチコピー通り、正に彼らの音楽を超える彼の物語

本作品は「QUEEN」というバンドの軌跡を描いた作品かと言われればそれは少々異なるだろう。
この作品が伝えたいのはクイーンの歴史ではなく彼の生き様、魂の叫びなのである。
彼の人生にはクイーンがあり、そこには彼の内なる情熱、愛情、信念が惜しみなく注ぎ込まれている。
彼の人生の全てといっても過言ではない「クイーン」。バンドを通してフレディの想いがあれほど明確に描かれている本作品はエンターテイメント作品として最高のものであろう。
彼の成功の裏に隠されていた葛藤や迷いも、観る人に分かりやすく、そして同情させてしまうほど親密に描き出している。
そういった観点から、この映画は、まさにキャッチコピーの通り「彼らの音楽を唯一超える彼の物語」なのだ。

誰が見ても共感出来るその訳とは!?

音楽をやっている人も、そうでない人も、今何かに悩んでいる人も、自身にコンプレックスがある人も、全ての人に観て頂きたい一作。
さらに作中に流れる楽曲はどれも一度は耳にしたことのある有名なものばかりで、観てて飽きのこないテンポのいい映画となっているのだ。
この作品には観る人それぞれが様々な思いを抱きながら観れるものだろう。
音楽は全ての人に平等であり、全ての人の味方なのである。
そんな力強いメッセージがこの作品には隠されているのかもしれない。